2012年10月29日
答はどこに?/CDA2次に向けて(2)
「答はその人の中にある」(Starting from within/R.Assagioli)。これは、その人にとっての最善策は、その人が持っているということですね。(CDAが支援するクライエントの「答」とは、簡単に言えば、自己探索、自己成長につながる「自己概念」と考えていいと思います。)
ですが、クライエントにはその「答」がなかなか見つからない。
何故見つからないのでしょう?
「答」はどこに隠れているのでしょう?
それは、”意識されていないところ”。つまり、『無意識』の領域にあるからなんですね。ですから、困難と思える事態に接して、どうしたらいいのかと「頭=顕在意識で考えている」クライエントには、なかなか「答」が見つかりません。
では、気づかない(無意識の)領域にある「答」をどうやって探せばいいのでしょう?
無意識の領域からは「ヒント」や「サイン」が出てきますので、それを手掛かりにするんですね。そして、それが「答」の存在を証明しているのですが、なかなか気づきにくいのが難点です。
と言うのも、無意識からのサインやヒントは明確な言葉や論理として現れないからです。つまり、身体感覚やイメージ、あるいは漠然とした表現、比喩などを通して曖昧な形で現れることが殆どです。
ですから、CDAとしては冷静に、客観的に、それらのサインやヒントを聴き逃さずに受け止め、クライエントに「ほら、こんなサインが出ていますよ」と教えてあげるだけでいいんですね。具体的には「問い」という形をとることになります。
「クライエントから出た言葉」だからクライエントは分かっている筈だと考えたり、あるいは「(了解!)そうですよね」とスルーするのは危険ですね。それはカウンセラー側の顕在意識空間での判断です。そうではなくて、「答」は潜在意識の中にある。今語られた言葉や仕草などは、「答」についてのサインだと理解することがポイントです。
従って、曖昧な話に対して、整理しよう、具体化しようとカウンセラー自ら説明・解説したり、閉ざされた質問を始めてしまうのはいけませんよね。具体化したり、説明したり等「言語化」するのは、「クライエントの作業」です。クライエントが自ら作業するから「気づき」が得られるんですね。勿論、複雑な状況をある程度整理してあげたり、分からない点を最低限理解するために確認することは必要ですが、あくまでも掘り下げる作業はクライエントがやるものだということです。
話が堂々巡りし、はっきりしない、もう少し簡潔に。そう思うのは人間として普通のことです。ですが、そうした曖昧な語り方こそが、無意識領域/自己探索に入りつつある証拠なんですね。
こうした意味で、「クライエントの話の曖昧さ」をそのまま受け取ることができる力(「曖昧さへの耐性」)がカウンセラーには必要なのだと思います。
カウンセリングの対象は無意識領域を含めたクライエントの「内的世界」です。そこにはクライエント特有の世界が広がっています。語られた言葉だけではなく、その背景や深層も考慮に入れた”空間としての理解”が必要だと思います。その為には、カウンセラーとしても意識領域と無意識領域のそれぞれに片足ずつ踏み込み、クライエントのお話に沿って、柔軟に対応していく必要があるのではないかと思います。
ご参考:「CDA実践研究会」(レジュメ、勉強会、ロープレ研修、逐語添削等)
ですが、クライエントにはその「答」がなかなか見つからない。
何故見つからないのでしょう?
「答」はどこに隠れているのでしょう?
それは、”意識されていないところ”。つまり、『無意識』の領域にあるからなんですね。ですから、困難と思える事態に接して、どうしたらいいのかと「頭=顕在意識で考えている」クライエントには、なかなか「答」が見つかりません。
では、気づかない(無意識の)領域にある「答」をどうやって探せばいいのでしょう?
無意識の領域からは「ヒント」や「サイン」が出てきますので、それを手掛かりにするんですね。そして、それが「答」の存在を証明しているのですが、なかなか気づきにくいのが難点です。
と言うのも、無意識からのサインやヒントは明確な言葉や論理として現れないからです。つまり、身体感覚やイメージ、あるいは漠然とした表現、比喩などを通して曖昧な形で現れることが殆どです。
ですから、CDAとしては冷静に、客観的に、それらのサインやヒントを聴き逃さずに受け止め、クライエントに「ほら、こんなサインが出ていますよ」と教えてあげるだけでいいんですね。具体的には「問い」という形をとることになります。
「クライエントから出た言葉」だからクライエントは分かっている筈だと考えたり、あるいは「(了解!)そうですよね」とスルーするのは危険ですね。それはカウンセラー側の顕在意識空間での判断です。そうではなくて、「答」は潜在意識の中にある。今語られた言葉や仕草などは、「答」についてのサインだと理解することがポイントです。
従って、曖昧な話に対して、整理しよう、具体化しようとカウンセラー自ら説明・解説したり、閉ざされた質問を始めてしまうのはいけませんよね。具体化したり、説明したり等「言語化」するのは、「クライエントの作業」です。クライエントが自ら作業するから「気づき」が得られるんですね。勿論、複雑な状況をある程度整理してあげたり、分からない点を最低限理解するために確認することは必要ですが、あくまでも掘り下げる作業はクライエントがやるものだということです。
話が堂々巡りし、はっきりしない、もう少し簡潔に。そう思うのは人間として普通のことです。ですが、そうした曖昧な語り方こそが、無意識領域/自己探索に入りつつある証拠なんですね。
こうした意味で、「クライエントの話の曖昧さ」をそのまま受け取ることができる力(「曖昧さへの耐性」)がカウンセラーには必要なのだと思います。
カウンセリングの対象は無意識領域を含めたクライエントの「内的世界」です。そこにはクライエント特有の世界が広がっています。語られた言葉だけではなく、その背景や深層も考慮に入れた”空間としての理解”が必要だと思います。その為には、カウンセラーとしても意識領域と無意識領域のそれぞれに片足ずつ踏み込み、クライエントのお話に沿って、柔軟に対応していく必要があるのではないかと思います。
ご参考:「CDA実践研究会」(レジュメ、勉強会、ロープレ研修、逐語添削等)
2012年10月19日
トレーニングの3本柱/CDA2次に向けて(1)
カウンセラーのトレーニングには3つの柱があると言われています。
1)「人間性理解」のための心理系理論の学習
2)対人支援のための「技法の修得」
3)カウンセラー自身の「自己理解と自己受容」
順を追って説明しますと、
1)人間理解
クライエントの自己探索を支援するためには、まず「人間(つまり、こころ)とは何か?」を学ぶ必要があります。というと頭が痛くなってきますが、要するに、「こころ」とはいろいろな動きをするものだ、決して決まったようには動かない、極めて個人的なものだ、という理解です。
そして、重要なことは、そのさまざまな動きは「自分自身でもなぜだかわからないことがある」という点です。何と人間とは不思議なんでしょうね。自分自身のことが分からないなんて。
その理由は、20世紀最大の発見の1つと言われるフロイトの『無意識』から説明できます。
クライエントの言っていることは筋が通らない、堂々めぐりしていて真面目にやっているの?と思ってはクライエントの前に坐ることはできません。それが当たり前。まずは人間理解、クライエント理解が必要ということですね。
そうした意味で、基本的な理論の枠組み位は頭に入れておくと、面談についての理解が進みます。
フロイト以外にも、カウンセリングの神様ロジャーズなどは示唆に富んだ記述が多々みられますので、役立ちます。
いづれにしても人間理解のために「内的世界」に興味を持ち、その豊かさを感じ取ると共に「外的世界」との識別ができるようになるということが大切です。
2)技法の修得
受験生お得意の「スキル」です。マイクロカウンセリングの技法を使えればCDA2次試験は大丈夫だと思います。
ですが、使いやすい技法、有効な技法、難しい技法等さまざまですので、うまく選択することです。また、誤解して使ったり、多用しすぎたりして返って減点となるケースも見受けられますので注意したいですね。
技法の修得でポイントとなるのは、使うタイミングや状況、そして態度や非言語面に十分留意することです。
まず、ロジャーズの『3つの態度条件』を理解した上で技法として使えること。例えば、「共感」を示すにはどんな技法を使ったらいいかを考えてみることです。そして、言語で技法を使う場合には必ず非言語表現を併用すること。
2次受験のために習得すべき技法は、乱暴に言ってしまえば、大きく分けて以下の3つかと思います。
イ)信頼関係の構築
ロ)伝え返し
ハ)問い掛け
個々の内容は、CDA実践研究会の『レジュメ』等を参考にして下さい。
3)カウンセラー自身の「自己理解と自己受容」
軽視されがちなのがこのカウンセラー自身の自己理解と自己受容です。
キャリアカウンセリングは、クライエントの自己探索を支援し、自己成長することを目的にしています。従って、まずカウンセラー(CDA)自身が自己探索に馴れていなければいけません。自分でよく自分自身の自己探索をやっているひとはCDAをやっても上手なものです。
と言ってもなかなか時間がないかと思いますので、ロープレ練習での「クライエント役」を真剣にやってみることをお奨めします。この点はブログの方を参考にしてください。
尚、自己探索は自己理解につながり、自己受容を経て自己成長につながりますが、自己の感情や価値観及び行動パターンを理解することで自分を客観的に把握できるようになり「自己一致」につながります。
また、そうした理解に立った上で自分を受け容れるということは自己の肯定的把握になりますので、クライエントについても肯定的関心を向けることができます。
よく見られるケースですが、自分を否定的に見たり、過小評価している方の合格率は低い様な気がします。やはり、自分の良い面悪い面を把握し、それを受け容れている方でないと、クライエントの見立ては難しいのかもしれません。
CDA実践研究会では2)と3)のトレーニングが同時に出来る『自己逐語録の添削サービス』を始めましたので、よろしければご検討ください。
以上、トレーニングの3本柱について思っていることを書いてみました。このトレーニングは資格取得後も勿論続きます。
1)「人間性理解」のための心理系理論の学習
2)対人支援のための「技法の修得」
3)カウンセラー自身の「自己理解と自己受容」
順を追って説明しますと、
1)人間理解
クライエントの自己探索を支援するためには、まず「人間(つまり、こころ)とは何か?」を学ぶ必要があります。というと頭が痛くなってきますが、要するに、「こころ」とはいろいろな動きをするものだ、決して決まったようには動かない、極めて個人的なものだ、という理解です。
そして、重要なことは、そのさまざまな動きは「自分自身でもなぜだかわからないことがある」という点です。何と人間とは不思議なんでしょうね。自分自身のことが分からないなんて。
その理由は、20世紀最大の発見の1つと言われるフロイトの『無意識』から説明できます。
クライエントの言っていることは筋が通らない、堂々めぐりしていて真面目にやっているの?と思ってはクライエントの前に坐ることはできません。それが当たり前。まずは人間理解、クライエント理解が必要ということですね。
そうした意味で、基本的な理論の枠組み位は頭に入れておくと、面談についての理解が進みます。
フロイト以外にも、カウンセリングの神様ロジャーズなどは示唆に富んだ記述が多々みられますので、役立ちます。
いづれにしても人間理解のために「内的世界」に興味を持ち、その豊かさを感じ取ると共に「外的世界」との識別ができるようになるということが大切です。
2)技法の修得
受験生お得意の「スキル」です。マイクロカウンセリングの技法を使えればCDA2次試験は大丈夫だと思います。
ですが、使いやすい技法、有効な技法、難しい技法等さまざまですので、うまく選択することです。また、誤解して使ったり、多用しすぎたりして返って減点となるケースも見受けられますので注意したいですね。
技法の修得でポイントとなるのは、使うタイミングや状況、そして態度や非言語面に十分留意することです。
まず、ロジャーズの『3つの態度条件』を理解した上で技法として使えること。例えば、「共感」を示すにはどんな技法を使ったらいいかを考えてみることです。そして、言語で技法を使う場合には必ず非言語表現を併用すること。
2次受験のために習得すべき技法は、乱暴に言ってしまえば、大きく分けて以下の3つかと思います。
イ)信頼関係の構築
ロ)伝え返し
ハ)問い掛け
個々の内容は、CDA実践研究会の『レジュメ』等を参考にして下さい。
3)カウンセラー自身の「自己理解と自己受容」
軽視されがちなのがこのカウンセラー自身の自己理解と自己受容です。
キャリアカウンセリングは、クライエントの自己探索を支援し、自己成長することを目的にしています。従って、まずカウンセラー(CDA)自身が自己探索に馴れていなければいけません。自分でよく自分自身の自己探索をやっているひとはCDAをやっても上手なものです。
と言ってもなかなか時間がないかと思いますので、ロープレ練習での「クライエント役」を真剣にやってみることをお奨めします。この点はブログの方を参考にしてください。
尚、自己探索は自己理解につながり、自己受容を経て自己成長につながりますが、自己の感情や価値観及び行動パターンを理解することで自分を客観的に把握できるようになり「自己一致」につながります。
また、そうした理解に立った上で自分を受け容れるということは自己の肯定的把握になりますので、クライエントについても肯定的関心を向けることができます。
よく見られるケースですが、自分を否定的に見たり、過小評価している方の合格率は低い様な気がします。やはり、自分の良い面悪い面を把握し、それを受け容れている方でないと、クライエントの見立ては難しいのかもしれません。
CDA実践研究会では2)と3)のトレーニングが同時に出来る『自己逐語録の添削サービス』を始めましたので、よろしければご検討ください。
以上、トレーニングの3本柱について思っていることを書いてみました。このトレーニングは資格取得後も勿論続きます。
2012年10月18日
コーチング・ミニミニ講座73のお知らせ
下記の通り開催しますので、お時間のある方はご参加ください。
【第73回コーチング・ミニミニ講座】
日時:11月 4日(日)AM10時~12時
場所:三鷹市市民協働センター
ミーティングルーム
費用:無料
(お菓子差し入れ歓迎)
特別な準備はいりません。気楽にご参加頂ければ結構です。
但し、守秘義務にご留意頂き、発言内容等の公開はご遠慮ください。
参加希望の方は、『お問い合わせ』画面からお願いします。
【第73回コーチング・ミニミニ講座】
日時:11月 4日(日)AM10時~12時
場所:三鷹市市民協働センター
ミーティングルーム
費用:無料
(お菓子差し入れ歓迎)
特別な準備はいりません。気楽にご参加頂ければ結構です。
但し、守秘義務にご留意頂き、発言内容等の公開はご遠慮ください。
参加希望の方は、『お問い合わせ』画面からお願いします。
2012年10月05日
第3回「コミュニティ・コーチング講座」(全5回)
下記の通り、「コーチング・ミニミニ講座会員向け」にコミュニティ・コーチング講座を行います。
資格取得や難しいスキルにこだわらず、日常生活で役立つコーチングを「コミュニティ・コーチング」と名付けました。
この講座は、コーチングの初歩をやさしく学ぶ講座です。
今回は前回の内容を更に一歩進め、「自分との対話」を深めていきます。今何をしたいのか、今何を言いたいのか、自分の本当の気持ちを聴いてみましょう。今まで気づかなかった自分に出会うかもしれません。
【第3回コミュニティ・コーチング講座三鷹(全5回)】
日程:2012年
第1日10月21日(日)
第2日11月25日(日)
第3日12月23日(日)
2013年
第4日 1月27日(日)
第5日 2月24日(日)
時間はいづれもAm9:00~11:00(2時間)です。
場所:三鷹市市民協働センター
対象:コーチング・ミニミニ講座会員
費用:500円/回(テキスト代等を含みます。)
ご興味のある方は「コーチング・ミニミニ講座」に一度ご参加ください。内容をご説明致します。
*本講座は締切となりました。
資格取得や難しいスキルにこだわらず、日常生活で役立つコーチングを「コミュニティ・コーチング」と名付けました。
この講座は、コーチングの初歩をやさしく学ぶ講座です。
今回は前回の内容を更に一歩進め、「自分との対話」を深めていきます。今何をしたいのか、今何を言いたいのか、自分の本当の気持ちを聴いてみましょう。今まで気づかなかった自分に出会うかもしれません。
【第3回コミュニティ・コーチング講座三鷹(全5回)】
日程:2012年
第1日10月21日(日)
第2日11月25日(日)
第3日12月23日(日)
2013年
第4日 1月27日(日)
第5日 2月24日(日)
時間はいづれもAm9:00~11:00(2時間)です。
場所:三鷹市市民協働センター
対象:コーチング・ミニミニ講座会員
費用:500円/回(テキスト代等を含みます。)
ご興味のある方は「コーチング・ミニミニ講座」に一度ご参加ください。内容をご説明致します。
*本講座は締切となりました。