2011年12月08日
CDA二次試験の新判定ポイント(2/2)
第36回二次試験から適用される「新判定ポイント」の後編です。前篇では「3)傾聴(非言語表現)」「4)傾聴(言語表現)」「5)傾聴(かかわり方)」について触れました。
2)自己探索の支援
ひとは内面(環境や経験から得た自身の考え方、価値観、認識など)を見つめること=「自己探索」で成長すると思われます。しかしながら辛い経験をした場合などなかなか内面を見つめる気にはなれないものです。
そんな時、信頼できる第三者がいたら・・・。これがキャリアカウンセリングの出発点です。
さて、「自己探索の支援」とはどんなことをしたらいいのでしょう? 言うまでもなくクライエントが自己に向き合えるように働きかけることですが、分かり易くする為に「自己探索の支援を妨げること」について考えてみたいと思います。
最初に考えられるのは「問題を解決しようとすること」です。これではクライエントの自己探索を支援するどころか邪魔をしてしまいますね。成長の機会を奪うことになります。
「CDAの興味から発する質問」も自己探索の妨げになります。せっかく自己探索に集中していても、別のことについて質問されたら、自己探索を中断して質問に対する答を考えなければいけませんからね。
また、見当違いの「要約」「いいかえ」「反映」なども自己探索の妨げになります。勿論、不適切な非言語的表現なども信頼関係を損なうという点では自己探索どころではないですね。
「自己探索の支援」とはこの様に正しい形で行われる「問いかけ」や「働きかけ」(=各種支援スキル)ですが、難しいスキルを無理してやろうとせず、基本スキルを正確に使う。そして、自己探索を妨げることは絶対しない、という心掛けが大切だと思います。
1)主訴・問題の把握
さて、いよいよ最後ですね。「主訴・問題」となっています。「主訴」と「問題」、同じなのか、違うのか、違うとすればどう違うのか。
その前に、「来談目的」というのがあります。これはご相談に来られた直接的な目的で、面談の冒頭でクライエントから語られることが多いと思います。例えば「転勤で迷っている」「リストラで転職したい」などです。
「主訴」は、そうした事態に対する強い感情、情動です。それは「怒り」だったり「落胆」だったり、「焦り」だったり、「葛藤」だったり。あるいはそれらが複合したものだったりします。
では、「問題」とは何でしょう? 特にキャリアカウンセリングでいう「問題」とは?
例えば「転勤」。「それは大変ですねぇ」とはなりませんよね。そうです。ここで大事なのは「一般的価値観」の排除です。つまり、「思い込み」や「決め付け」は絶対ダメということですね。
ですから、「転勤」や「リストラ」などは「問題」とは考えません。ある人にとってはチャンスと考えてキャリアアップを図るかもしれませんからね。
「転勤」や「リストラ」は多くの場合、本人の力ではどうしようもないこと=本人の外にある「環境・条件」です。「問題」は「転勤」や「リストラ」についてのご本人の「考え方」や「価値観」「認識」(つまり、誤った自己概念や固定観念、思い込みなど)です。
いろいろな考え方が出来るのに、どうして「転勤」=(例えば)「怒り」と感じるのか? そうした「内面」に焦点を当て、自己探索を促し、自ら人生を切り開いて頂こうとするのがキャリアカウンセリングです。
ですから、キャリアカウンセリングにおける「問題」とは実に「個人的な問題」なんですね。だからこそ自己探索することに意味があり、成長につながる訳です。
「来談目的」・「主訴」・「問題」を区分してみると、クライエントの心理構造についての理解がし易くなります。従って、何について「要約」したらいいのか、何について「質問」や「反映」をしたらいいのか、自然に見えてくるような気がします。
以上が「新判定ポイント」についての私の”個人的な”見方です。
私自身、「新判定ポイント」に向き合ってみて大変勉強になりました。
こうしてみると、JCDAの提唱する『経験代謝』がこの「新判定ポイント」の先に何となく浮かんで見えますが、二次試験の10分間ではそこまで出来ませんので、深く考えすぎないでくださいね。
〔CDA実践研究会〕
http://ja-jp.facebook.com/cdasupport
2)自己探索の支援
ひとは内面(環境や経験から得た自身の考え方、価値観、認識など)を見つめること=「自己探索」で成長すると思われます。しかしながら辛い経験をした場合などなかなか内面を見つめる気にはなれないものです。
そんな時、信頼できる第三者がいたら・・・。これがキャリアカウンセリングの出発点です。
さて、「自己探索の支援」とはどんなことをしたらいいのでしょう? 言うまでもなくクライエントが自己に向き合えるように働きかけることですが、分かり易くする為に「自己探索の支援を妨げること」について考えてみたいと思います。
最初に考えられるのは「問題を解決しようとすること」です。これではクライエントの自己探索を支援するどころか邪魔をしてしまいますね。成長の機会を奪うことになります。
「CDAの興味から発する質問」も自己探索の妨げになります。せっかく自己探索に集中していても、別のことについて質問されたら、自己探索を中断して質問に対する答を考えなければいけませんからね。
また、見当違いの「要約」「いいかえ」「反映」なども自己探索の妨げになります。勿論、不適切な非言語的表現なども信頼関係を損なうという点では自己探索どころではないですね。
「自己探索の支援」とはこの様に正しい形で行われる「問いかけ」や「働きかけ」(=各種支援スキル)ですが、難しいスキルを無理してやろうとせず、基本スキルを正確に使う。そして、自己探索を妨げることは絶対しない、という心掛けが大切だと思います。
1)主訴・問題の把握
さて、いよいよ最後ですね。「主訴・問題」となっています。「主訴」と「問題」、同じなのか、違うのか、違うとすればどう違うのか。
その前に、「来談目的」というのがあります。これはご相談に来られた直接的な目的で、面談の冒頭でクライエントから語られることが多いと思います。例えば「転勤で迷っている」「リストラで転職したい」などです。
「主訴」は、そうした事態に対する強い感情、情動です。それは「怒り」だったり「落胆」だったり、「焦り」だったり、「葛藤」だったり。あるいはそれらが複合したものだったりします。
では、「問題」とは何でしょう? 特にキャリアカウンセリングでいう「問題」とは?
例えば「転勤」。「それは大変ですねぇ」とはなりませんよね。そうです。ここで大事なのは「一般的価値観」の排除です。つまり、「思い込み」や「決め付け」は絶対ダメということですね。
ですから、「転勤」や「リストラ」などは「問題」とは考えません。ある人にとってはチャンスと考えてキャリアアップを図るかもしれませんからね。
「転勤」や「リストラ」は多くの場合、本人の力ではどうしようもないこと=本人の外にある「環境・条件」です。「問題」は「転勤」や「リストラ」についてのご本人の「考え方」や「価値観」「認識」(つまり、誤った自己概念や固定観念、思い込みなど)です。
いろいろな考え方が出来るのに、どうして「転勤」=(例えば)「怒り」と感じるのか? そうした「内面」に焦点を当て、自己探索を促し、自ら人生を切り開いて頂こうとするのがキャリアカウンセリングです。
ですから、キャリアカウンセリングにおける「問題」とは実に「個人的な問題」なんですね。だからこそ自己探索することに意味があり、成長につながる訳です。
「来談目的」・「主訴」・「問題」を区分してみると、クライエントの心理構造についての理解がし易くなります。従って、何について「要約」したらいいのか、何について「質問」や「反映」をしたらいいのか、自然に見えてくるような気がします。
以上が「新判定ポイント」についての私の”個人的な”見方です。
私自身、「新判定ポイント」に向き合ってみて大変勉強になりました。
こうしてみると、JCDAの提唱する『経験代謝』がこの「新判定ポイント」の先に何となく浮かんで見えますが、二次試験の10分間ではそこまで出来ませんので、深く考えすぎないでくださいね。
〔CDA実践研究会〕
http://ja-jp.facebook.com/cdasupport
試験前日に/CDA2次に向けて(7)
「沈黙」の光と影/CDA2次に向けて(6)
二つの舟(共感)/CDA2次に向けて(5)
T字型アプローチのススメ/CDA2次に向けて(4)
気持ちに寄り添うとは?/CDA2次に向けて(3)
答はどこに?/CDA2次に向けて(2)
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