2012年04月13日

CDA2次「新判定ポイント」分析(5/5-2)

前回、「新判定ポイント」分析の5/5で触れましたが、ロジャーズは「クライエントの問題」は「不一致」にあると考えました。

しかしながら、人間の本質を「自己実現傾向」としましたので、特別に『問題』を意識しなくても良かったわけです。それよりは自己探索の支援として3つの態度条件(自己一致、受容、共感の3つの態度条件)を重視しました。

そういった意味で、ロジャーズの「クライエント中心療法」から見ると『問題』の把握は、ケースによっては少しばかり分かりにくいような気がします。

そこで「クライエントの『問題』の把握」を分かり易くする為に、「論理療法」や「認知行動療法」の例をご紹介したいと思います。

「論理療法」(A.エリス)は、
例えば、「継続的な就労」という「目標(G)」があって、
「リストラ」という「出来事(A)」を経験した。
そこで、「自分は無能な人間なんだ」と思い込み「(B)」
大変「落ち込んでいる」=「結果/感情(C)」
という事例から、

『問題』は、リストラという「出来事」ではなく(一因ではある)、自分を無能な人間だと思う”悲観的思考”=「信念・考え方(B)」にあるとしました。

「~ねばならない」「~すべきだ」「~当然である」という固定的な考え方。つまり絶対視や絶望感、非難や自己卑下、欲求不満、低耐性といった「こころのあり方」を『問題』だと見ている訳ですね。

同様に「認知療法」(A.ベック)においても、「認知」が感情や行動に影響すると考え、情緒的な苦痛を生じさせる不適切な「認知」を「認知の歪み」と呼んで6つ(選択的抽出、恣意的推論、過度の一般化、拡大解釈や過小評価、自己関連付け、分極化思考)示しました。

そして、A(出来事)→B(認知)→C(感情・行動)の関係において、Aが問題なのではなく、Bこそが『問題』としました。

どうでしょうか? 『問題』の意味が少しはっきりしてきたのではないかと思います。

以上から、口頭試問で『問題』を尋ねられて倒産やリストラ、失業といった「出来事(A)」(=クライエントの外にあるもの)と答えてしまってはNGです。あくまでも『問題』はクライエントの内側にあるもの、です。従って「自己探索」に価値が出てくる訳ですね。

ロジャーズ(クライエント中心療法)で言えば客観的な自己像と「不一致」を生じさせている偏った「自己概念」。エリス(論理療法)やベック(認知療法)なら、思い込みや過大(過小)評価等の「固定概念」。このあたりに『問題』を見つけ出すヒントがありそうですね。

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    Posted by タテさん  at 23:47 │CDA2次対策



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