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Posted by たまりば運営事務局  at 

2012年11月01日

気持ちに寄り添うとは?/CDA2次に向けて(3)

「気持ちに寄り添う」「クライエントに寄り添う」、よく耳にする言葉ですね。では、どういう意味ですか?と尋ねられるとなかなか説明しにくい。そこで、改めて考えてみました。

関連したイメージとしては、ラポールや信頼関係、共感があります。これらに共通することは「関係性」、つまりAとBの関係を示しているということですね。更に考えると、A=Bではなくて、A:Bであることが分かります。つまり、AとBは同一ではなく、それぞれ独立した存在で、かつ平等ということです。

ちょっと外れますが、「無我夢中」「我を忘れる」という状態は、何かに集中していて自分自身がその状態に埋没していることを意味します。何か創造的で建設的なことならいいのですが、例えば「怒り」「哀しみ」といった強い感情だったらどうでしょう? 怒りで暴走している状態、深い哀しみに打ちひしがれている状態、いづれも自分自身のコントロールがきかない状態ですね。こうした状態は「自分を失っている状態」で好ましくありません。

では、どういう状態ならいいのでしょう? それは「自分を取り戻している」状態、「我に帰っている」状態、要するに自分自身をコントロール出来ている状態です。自分自身が今どうなっているか客観的に把握できる状態(=自己一致)でもありますね。

話を戻しましょう。これをクライエントとカウンセラー(CDA)の関係に置き換えてみると、カウンセラーはクライエントの状態に同調、埋没してはいけない、あくまでも独立を保って、良心となって、基準となって、客観的に、一般的価値観を排除しながら、クライエントを観察していく。そして、「今、ここで」の状態を反映していく、あるいは問い掛けていくということになります。

従って、「寄り添う」というのは、「辛いという感情」であれば、クライエントのその「辛い」という感情と共に、その場に一緒に留まるが、決して同調・埋没してしまうことではない、ということになります。言い方を変えれば「共感」するが「同感」はしないということです。

「辛いですよねぇ。」と言ってしまっては同感していることになり、自己探索は進みません。そうではなくて、例えば「辛いと感じているんですね(共感)。どんな点が辛いのかもう少しお話頂けますか(問い掛け)?」とする方が適切でしょう。

「辛いですよねぇ。」「そうですよねぇ。」、一見、気持ちに寄り添っているようですが・・・。クライエントの気持ちに寄り添いつつも、一歩下がって冷静に観察する。そんな強いこころがカウンセラーには求められるのではないかと思います。

ご参考:「CDA実践研究会」(レジュメ、勉強会、ロープレ研修、逐語添削等)  


  • Posted by タテさん  at 23:37Comments(0)CDA2次対策